◆総合科学系複合領域科学部門 仁子陽輔准教授らの研究グループの研究成果が、英国王立化学会の国際学術誌「Chemical Science」に掲載されました

公開日 2025年8月26日

生きたマウス体内の細胞形態?動態を高精細に可視化する新規蛍光プローブを開発

~疾患の検出、病態解明、創薬研究への応用に期待~

 

 188bet体育_188bet赌场-【平台官网】総合科学系複合領域科学部門の仁子陽輔准教授、大学院理工学専攻化学生命理工学分野の上村拓巳さん(2023年度修了)らの研究グループは、愛媛大学大学院医学系研究科分子病態医学講座の川上良介准教授、今村健志教授との共同研究により、生きたマウスの骨髄や皮膚といった光散乱性の高い組織内に存在する細胞の形態?動態を高解像度で可視化できる新規蛍光プローブ「dSQ12AQ」を開発しました。

 従来の細胞膜染色用蛍光プローブは水への分散性が低く(< 1 mg/mL で沈殿)、生体への安全な投与が困難でした。本研究では、高輝度スクアライン発色団に新たに設計した陰イオン性アンカー基を2つ導入することで、助溶媒(DMSOなど)を用いずとも10 mg/mL以上の高濃度で水分散可能なプローブの開発に成功。これにより、安全な生体投与と高感度な蛍光観察を両立しました。

 本プローブをマウスに静脈投与したところ、骨髄内血管内を流れる血球や、皮膚の表皮?真皮層に存在するケラチノサイト、線維芽細胞、汗腺導管細胞など、多様な細胞の細胞膜が選択的に染色されました。さらに、最先端の二光子励起顕微鏡(2PM)を用いた観察により、これらの細胞の形態や動き(例:血球の流動や接着など)をリアルタイムかつ高精細に可視化することに成功しました。この成果は、がんや炎症性疾患など、細胞形態の異常が顕著に現れる疾患の検出や病態解明に貢献するだけでなく、幹細胞の分化能評価や免疫細胞の活性評価などへの応用も期待されます。

 本成果は、英国王立化学会が刊行するフラッグシップジャーナル「Chemical Science」に2025年6月に掲載されました。

 

【プレスリリース】生きたマウス体内の細胞を高精細に可視化する新規蛍光細胞膜プローブを開発[PDF:833KB]

 

【論文情報】

掲載雑誌:Chemical Science

URL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlehtml/2025/sc/d5sc03047a

論文名:Bright and Water-Dispersible Membrane Probes Enable Visualization of Cellular Morphologies and Dynamics in Light-Scattering Tissues of Living Mice

DOI:10.1039/D5SC03047A

著者:Takumi Uemura1, Ryosuke Kawakami2, Hitomi Seki1, Satoshi Yoshida3, Masamoto Murakami4,5, Takeshi Imamura2, Hadano Shingo1, Shigeru Watanabe1, and Yosuke Niko1,6

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