筋層非浸潤性膀胱がんは膀胱がん全体の約７割を占めます。がんが筋層に達していない筋層非浸潤性膀胱がんに対し、国内で実施されている一般的な治療は「経尿道的膀胱腫瘍切除術（TURBT：transurethral resection of bladder tumor）」という方法です。これは、尿道から膀胱鏡を挿入し、電気メスにて腫瘍部分を切除します。
それに対しTULAは尿道から膀胱鏡を挿入し組織変性能の高い半導体レーザーにより、腫瘍部を蒸散しながら止血を行う為、TURBT等の治療法と比較して出血リスクを軽減させることができます。また、海外の論文では再発までの期間を延長させることができ、生存期間内での手術回数を減らすことができるという報告もされています。
（DOI: 10.1002/iju5.12803）（DOI: 10.1002/iju5.12803）また、当院で用いる波長980nmのダイオードレーザーは比較的新しい技術で、従来のレーザー機器と比較し、止血効果が高い中で組織に深くまで切り込まずに済むという利点があります。

以下が2025年12月時点での適応基準となります。

• 筋層非浸潤性膀胱癌
  （再発症例?最大腫瘍計3cm以内?併発CISなし）

TULAは、海外では無麻酔下で日帰りにて手術が行われており、安全な手術であるといわれています。当院もその安全性を慎重に評価しながら、2025年12月現在、短期間の入院加療として無麻酔下で光力学診断(PDD)併用の手術を行っています。